各パートのレベルを知り経験値も高めていく
カワサキZ900RSにカフェレーサーカウルキットやロングテールカウル、オリジナルマフラーなど、多くのパーツを展開するアメリカンドリーム。この車両は同店デモ車/パーツ開発車の最新仕様だ(’21年秋撮影)。前述のオリジナルパーツ群を引き続き装着しつつ、従来のデモ車両からはカラーリングも新たにホワイト×レッドに変更。今回はさらにエンジンにも手を入れてカムや吸排気系も換えたりしたと言うが、その新たな方向性を反映しているようだ。
「Z900RSを全体でもパーツ個々でももっと深く知るために、サーキットを走るようにしたというのが大きなテーマです。
カムシャフトを換えたのもそのひとつですし、吸気系はエアクリーナーボックス、それからセカンダリーバルブも外してECUチューニングやサブコンでのセッティングで、レッドゾーンを純正の1万rpmから1500rpmほど上げています。排気系も当社のNeoショート・チタンマフラーのエキパイとスパイラルコレクターを使いつつ、専用でテールパイプを作って同じく当社のPRIDEチタンサイレンサーを組み合わせています。ブレーキキャリパーは逆に純正のままですけど、これはノーマルのレベルがどこまでのものか知りたいからそうしてます。サスもリヤがYSS特注、フロントも今後YSSカートリッジキットが入ります。
Z900RSをアメリカンドリームのメインバイクとして扱っていく上で、いろいろと知っていきたいんですね。そのための仕様なんです」。
同社代表の松田さんは、このようにデモ車の内容を教えてくれる。サーキットは松田さん自身が走り、今後のパーツの開発や自身の学びに生かし、Z900RSでの経験値を高めるのだとも言う。
これまでの仕様もストリートカスタムとしては十分な内容だったが、さらに先の世界を知った上で、新しいパーツ、手法へフィードバックされる。その成果も、今から楽しみにしたくなってくる。
Detailed Description詳細説明
従来はカフェレーサーカウルキット同梱のバーハンドル仕様だったが、ハンドルはセパレート化され、これをマウントするステムとともにアクティブ・コンバーチブルステムキットに変更。ハイスロットルもアクティブ製。フロントマスターシリンダーはゲイルスピードだ。
カフェレーサーカウルキットはホワイトをベースとし、レッドストライプを入れる。ミラーはキジマ製のウインカービルトインタイプをチョイス。
ロングテールカウル&テールランプ延長にツートーンのシートはいずれもアメリカンドリームオリジナルで、ペイントもアメリカンドリームによる。
走行中、フルバンク時にサイドスタンドが接地してしまう(転倒にもつながりかねない)のを抑えるべく、そのフレーム側マウントを移設した。
エンジンは今回、カムシャフトをヨシムラST-1Mに変更している。鋼管トレリスフレームはノーマルでアグラス製スライダーをセット。
同店製カーボンインジェクションカバーを外した状態。フューエルインジェクションはエアクリーナーボックスを外した上でダイレクトファンネル仕様へと変更される。
ECUチューニングとパワーコマンダーⅤサブコンとで燃調をセッティング。排気系はアメリカンドリームオリジナルのNeoショート・チタンマフラーのエキパイとスパイラルコレクター(集合部)に、専用テールパイプを作って同店製PRIDEマフラーのサイレンサーをセットした。
フロントフォークは純正のφ41mm倒立のままだが、撮影後にYSSカートリッジキットの組み込みを予定する。フロントブレーキはZ900RSノーマルの4ピストンキャリパー+サンスターのST1000レース仕様φ320mmディスクを組み合わせる。ブレーキラインもステンレスメッシュ化済み。
リヤショックはYSS特注品で、スプリングをオリジナルペイント。スイングアームはZ900RS純正。リヤブレーキまわりはあえてノーマルのままとした。
リヤが純正より1サイズ広い、3.50-17/6.00-17インチの前後ホイールはマルケジーニ製アルミ鍛造のM7RSで、こちらもオリジナルのアルマイトレッド仕様とする。