ホンダ各車のパーツを巧みに使い自作も随所に
ヘリテイジ&レジェンズ初のカスタムコンテストとして、2021年9月20日にスポーツランドSUGOで開いた“H&Lバイクビルドオフ”。エントリーも入賞を決める投票も、来場者の皆さんに現地で行ってもらうという参加型で開催。トップのCRAZY MACH 750SSに続く得票車が、松井さんの愛車、NSR250R(MC21)だ。
カウル形状やカラーリングなどからも伝わってくるように、コンセプトとなったのは“現代版NSR”。1986年に登場した初代MC16からは35年以上、この車両=MC21からでも30年、生産終了からでも20年を超えてしまったNSR250Rに、どのように現代性を作り込んでいくか。もうひとつのコンセプトというか、モットーに“DIYで作ること”を掲げ、作業は進められたという。
そのコンセプト通りに、フロントエンドやリヤエンドの処理(レッドブルのスポンサーロゴやHonda Racingのロゴもその一環か)にちょっとした未来感も感じさせる外装=ボディワークは、NSR250Rに同じホンダの、市販レーサーRS250R用を活用。シートカウルも同じくRS125R。なるほど、これならNSRにも違和感ないサイズ感やイメージを持たせつつ、NSRよりも10年近く後まで展開した分の進化も採り入れることができる。
車体まわりではフロントフォークがNSR250Rの最終型となるMC28(’94~’99年)用で、メーターはCBR1000RR(SC57)と、純正流用も駆使しつつ後付けの違和感なく仕上げている。
なおエンジンはMC21ノーマル、チャンバーはハルクプロで、このあたりは定期メンテナンスによってオリジナルの味をしっかりキープ。2ストローク車が継続され、NSRが……と考えたらぱっとこのスタイルが頭に浮かぶ。そんな仕上がりとも言えるのだ。
Detailed Description詳細説明
今回は松井さんの希望もあり、保安部品を外したレーサー仕様で撮影。普段はヘッドライト(この開口部に入る)もミラーも装着している。ストリートバイクとしてドライブレコーダーも装備する。
アナログ指針のエンジン回転計を中央に、多機能デジタル液晶を下に置いたメーターはCBR1000RR(SC57)からの流用。その奥には自作のRCバルブインジケーターやスロットル開度インジケーターが見える。ハンドルはサンセイレーシング、トップブリッジはT2レーシング製。
クランクケースリードバルブ90度V2エンジンはMC21のノーマルでミッションやキャブレターもノーマル。アルミ5角目の字断面製ツインスパーフレームもMC21ノーマルだ。一方でカウルはRS250R用、シートとシートカウルはRS125R用。このあたりに後付け感がないことにも注目したい。
フロントフォークは同じNSR250R、後継のMC28用でφ41mm。フロントブレーキキャリパーはホンダ系純正流用のニッシン4ピストン。マスターはブレンボ製。
排気チャンバーはハルクプロ製。スイングアームはMC21のままで、リヤショックにはオーリンズをセット。ステップキットはバトルファクトリー製を使う。
ゴールドカラーの前後ホイールはNSR250R SP(MC21)純正のマグテック(U字断面6本スポーク・マグネシウム合金鋳造品)で、3.00-17/4.50-17サイズ。タイヤはブリヂストンR11で110/70-17・150/60R17サイズを履いている。ドライブチェーンはDIDの520ERV3だ。