もはや純正置換パーツと捉えたい! ドレミコレクションが提案するコスプレ外装シリーズの“今”!・ドレミコレクション

Z向けリプレイスパーツの豊富なラインナップで知られる岡山・ドレミコレクション。そんな同社が今、注力する『コスプレ外装シリーズ』は、当時現役だったゼファーシリーズを、よりルーツモデルのZ“らしく”仕立てるために製作した外装パーツがルーツだ。当初はいかに似せるか、をテーマに開発したそのパーツ群は、今やゼファーの延命に寄与するリプレイスパーツへと立ち位置を移している。そんな現況を同社の武 浩社長に聞いた。

ゼファー750用製品が人気の理由を探る

カワサキZシリーズを軸にSS/KH系やW系といった名車のリプレイスパーツの開発・販売を手がけるのが、武 浩さんが主宰するドレミコレクション。近年では現行モデル・Z900RS向けにZ系を彷彿させるオリジナル外装を装着する、武さんの言うところの“コスプレ外装キット”に注力するが、そのコスプレのスタートは’90年代後半に商品化したゼファー向け製品からだった。

発売当初は「なんちゃってZ」(武さん)とZ好きから揶揄されたものの、400向けを中心に売れ続け、今も同社の屋台骨を支える人気商品となっている。

▲今回の取材は肝入りで製作した飛燕の実物大レプリカを収蔵するために昨夏オープンした、ドレミコレクションミュージアムで行った。ドレミコレクションミュージアムでは武さんが収集したカワサキの名車やコスプレ外装キット装着デモバイクも展示。見学は事前予約制となっている。

さて、そんなゼファー向けの外装キットだが、ここに来てゼファー750用を中心に改めて盛り上がりを見せているという。武さんに聞こう。

「コンスタントに売れ続けているゼファー400シリーズ用はさておき、750の出荷数は格段に増えてきています。1100用も数量は安定しているけれど、そんな750用の勢いに、1100は落ち着いてしまったかなと思うほど」(武さん)

それはなぜか──。

▲DOREMI COLLECTION ZEPHYR750 Z2 Style

「弊社の分析では、まずゼファー750/1100の購買層は50歳代が中心と見ています。ひとつはゼファー発売当初から乗り続けている層。ふたつめはリターン組。

最初のゼファーに乗り続けている層には当初は1100に乗っていたけれど、その重さや取り回しがしんどくなって、750に乗り換える人もいる。これからゼファーをというリターン組も、同じ理由で750を選ぶケースが多い。

▲DOREMI COLLECTION ZEPHYR1100 Z2 Style

乗り続ける、あるいは購買の理由はといえば、やはりゼファーがカワサキ最後の空冷4発であることを重んじたり、現行モデルの水冷エンジンやシングルショックに馴染めないという声も聞きます。腰高なZ900RSを諦めて、ゼファーを選んだという人もいる。

一方で、コロナ禍の時期に投資目的でZを買う人が多かったのを覚えていますか? これに釣られてゼファーの中古車まで値上がりしたけれど、今はそんなバブルも落ち着いた。物価上昇もあってコロナ禍前の価格には戻りませんが、ゼファーは手が届く個体も増えました。そんな理由から人気は750というわけなんです」

 

ゼファーでも認知されてドレミ外装はブランド化

「ドレミの外装キットに話を戻せば、手に入れたゼファーの外装を綺麗に仕立てようにも、中古でも純正部品は高いし経年劣化は免れない。例えばネットオークションで程度の良いゼファー750のタンクを探すと10万円以上もザラ。それならほぼ同額、あるいは安く手に入る新品(同社のZ2タイプスチールタンクは10万450円〜)の方が良いという判断。さらに言えば、弊社のZ2タイプ外装に替えた中古車はなにせ綺麗に見えますから、販売店のウケもよく高値取り引きされているそうです。

▲DOREMI COLLECTION ZEPHYR1100 FX Style

一方のカスタムの視点で見れば、やりつくした車両の最後のシメになるのもウチの外装キットなんです。どんなに高価なパーツに入れ替えても純正外装のままでは他と差を付けにくい、そんな心理も購入の理由になっています」(同)

なるほど、この先の安心してゼファーに乗り続ける担保に、リプレイスパーツとして使う層。そして究極のドレスアップパーツとして見る層がいることが分かる。なんちゃってZと言われた外装キットは、今やゼファーを維持し、楽しむために必要不可欠なパーツへと変貌しているというわけだ。

▲DOREMI COLLECTION ZEPHYR FX Style

余談だが、ここに紹介する外装キット装着車群は、あえて綺麗なベース車を使ってはいないそうだ。それはドレミ製品に興味を持ったユーザーが、愛車からあまりにかけ離れたピカピカのデモバイクを見てもイメージが湧かないでしょうから、と武さんは言う。

一方で、そんな人気アイテムだから故の悩みもある。聞けばインターネットオークションでドレミの中古外装を買ったユーザーが付かないと苦情をいうケース。例えばサイドカバーには純正タンク用とドレミZ2タイプタンク用の2種がラインナップされていて、右下のように外観や装着用のツメの位置が違うから付くわけもない。それを知らずにネット上に流布される苦情がここに来て散見されるというのだ。

ともあれ、新品を購入すれば起こり得ないことだが、念のため最後に書き加えておこう。

 

外装の購入時には要注意! ドレミ製サイドカバーには 純正タンク用と ドレミ・タンク用の 2種アリ!

上写真はZ2タイプスチールタンク用で、中央写真に見る通り、黒ゲル仕様で見せる上の純正タンク用のZ2タイプサイドカバーとはタンク/シートに沿うラインが明らかに違うのが分かるだろう。加えて装着用ツメ位置も違うから正しいものを購入したい。

 

Z2スタイルを謳うその外装は ゼファーへ自然に落とし込むための 精緻なデザインも人気の秘密だ

“Z2タイプスチールタンクセット(Z2キャップ仕様)黄タイガー”や“Z2タイプSTDシートASSY”、“Z2タイプ4本エキゾーストマフラー”でドレスアップされたゼファー750(手前)とSTDのゼファー1100(奥)。今やドレミの外装キットは、終売から約20年が経過し劣化したゼファーの外装を蘇らせるために必要不可欠なブランド・パーツになったのだ。

DOREMI COLLECTION ZEPHYR 750 Z2 Styleの詳細を見る。

Z2タイプスチールタンクセットは13万5300円〜。写真の黄タイガー仕様は左右サイドカバー、引き出しトレイ付きテールカウル、Z2タンクキャップASSYなど同梱。

Z2タイプSTDシートASSYは2万2000円。

Z2タイプウインカー(2750円〜)やフォークカバーエンブレム(1650円〜)、Z2タイプハンドルスイッチ(1万5400円)もオリジナル。

鉄メッキフロントフェンダー(3万8500円)。

Z2タイプ4本エキゾーストマフラー(19万8000円)。

鉄メッキリアフェンダー(赤ランプ付き・5万3900円)が醸す往時のZ風イメージもカスタム感を寄り引き立てる。

こちらもお約束のZ2タイプサイドカバーエンブレム(3300円)。

 

【協力】
ドレミコレクション TEL086-456-4004 〒712-8043 岡山県倉敷市広江1-2-22 https://www.doremi-co.com/
ドレミコレクション東京営業所  TEL03-5631-8228 〒131-0034東京都墨田区堤通1-11-23
ドレミコレクションミュージアム 〒719-0112岡山県浅口市金光町須恵1079 https://reserva.be/hien

※本企画はHeritage&Legends 2025年11月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。