国内有数の大手パーツサプライヤーPMCが目指す将来像に 興味津々!!・PMC

カワサキZなど’70年代車のリプレイスパーツを軸に、2008年からはタイ製サスペンション“YSS”の輸入発売元に、そして’20年からは現行モデル向けカスタムパーツブランド“ARCHI”を立ち上げるなど、国内有数のパーツサプライヤーとして知られる兵庫・淡路島のPMC。そんな同社では、2024年11月に創業者の正本晃二さんから息子の賢将さんへと経営のバトンが引き継がれた。新体制で目指すPMCのありようとは? デビューを待つ新製品は? カスタムファンが気になる話題を、この機会に改めて伺った。

大手パーツサプライヤーを 継ぐためにした努力とは

アフターマーケットパーツサプライヤーとして知られる、PMCの歴史を簡単に振り返れば、’88年に正本晃二さんが興したプロダクトMカンパニーがルーツ。

当初はカワサキZの修理や中古車輸入販売などを行ったが、PMCとなった’90年代以降は、今も引き継がれるワイセコやピンゲル、ダイナテックなど、米国著名ブランドの正規輸入発売元となり、折からのカスタムブームにも乗って急成長。’70年代車向けリプレイスパーツやオリジナルパーツも並行して充実させ、’08年からはタイ・YSSサスペンションの輸入発売元に。’20年には現行車種向け新ブランドのARCHIも立ち上げた。

これからの株式会社PMCを担う社長の正本賢将さん。もちろんバイク好き。34歳の若さを武器に、新しい視点での活躍に期待したい。

そんな同社だが、この11月には先の晃二さんから息子の正本賢将さんを社長とする新体制に移行、晃二さんは会長職となった。新社長に就任した賢将さんは’90年生まれの34歳。一旦は他業界でスタートアップしたばかりの企業に勤めるが、’15年にアクティブに入社。3年半を同社で過ごす。

正本賢将社長(以下、賢将社長):「当初は若さもあって考えもしませんでしたが、アクティブさんに入社した時点でPMCを継ぐことを意識し始めました。バイクには乗っていましたが、同社ではバイクの基本機能の学び直しはもちろん、営業職として取引先の皆さんとの関係の重要性に気づきました。前職では飛び込み営業ばかりでしたから、ルート営業を通じて業界内の、横のつながりの大事さを知ったのは新鮮でした」

▲1988年にPMCの前身、プロダクトMカンパニーを設立。'98年からは株式会社PMCの代表としてとして度々登場いただいた正本晃二さん。

正本晃二会長(以下、晃二会長):「PMCを背負うなら、まずは業界内でも外から弊社の立ち位置、他社との関係性を知ってほしかったから、アクティブさんに入社させてもらったのはよかった。直接、弊社に戻ったら決してできない勉強をさせてもらったと思います」

賢将社長:「会社としてはアクティブさんも弊社も、オリジナルパーツを開発しながら海外ブランドを扱う商社としての側面を持つ業態は似ていて、参考にさせていただいてるんです。比較しながら足りない箇所を改善したり。

ユーザーの皆さんに向けての製品展開では、ZのPMCから『絶版車のPMC』へと進化していきたい。具体的にはカワサキならゼファーやニンジャ、スズキの油冷あたりも取引先から相談されますから、まずはそのあたりから。

ARCHIも現在はZ900RS用パーツに偏っていますが、こちらの車種拡充も検討中です。もちろん、ZやZ900RS向けなど既存ジャンルをおろそかにできませんから、一歩ずつ着実に。

そして実現したいのが、市場にある製品ではなく、『これはPMCが最初に作ったんだよな』って、皆さんに思ってもらえるような、オリジナリティを感じさせるモノ作りです。そのためには製品開発力を高めなければなりません」

晃二会長:「僕は好きが高じて、Zを生業としてきましたが、時代は進んでいる。僕らにとってZは傍らにあるバイクでしたが、今は高級車になっていたり。変化に対応しながら、これからは若い世代にカスタム業界を牽引してほしい。

そして今はインターネットやSNSを活用して、ユーザーニーズをいかに迅速に、正確に拾い上げて製品開発につなげていくかが問われる時代。僕はそれが苦手ですっかり社長やスタッフに頼りきりでしたが(笑)。彼らがこの先、どんなPMCを作り上げてくれるかも、今から楽しみで仕方ないんですよ」。

新PMCは、どんなモノ作りで我々を驚かせてくれるのか。カスタムファンはその動向に注目だ。

 

新体制もカワサキZとZ900RSは主力製品! 新アイテムが続々登場中だ!

一気に人気アイテムへと成長したZ900RS用シートシリーズには 満を持してのZ1/Z2タイプを投入!




ARCHIブランドによるZ900RSパーツの最近の目玉は一気にリリースされた“シートシリーズ”。疲労を軽減するゲル内蔵、20㎜のローダウンによる足着き性向上、そしてタンクまわりやテールカウルとのツライチ感あるデザインが魅力の製品群だが、いよいよ“Z1/Z2タイプ[ベルト付属]”が昨年12月に発売となった。価格は4万4000円。また、’25年の東京MCショー向けには、これまで高品質なビレット/ハニカムシリーズとして展開したバックステップなど製品群に、買いやすい価格帯の新シリーズを追加予定で、急ピッチで開発中。新規ユーザーの取り込みを図る考えだ。

 

痒いところに手が届く! Z向けパーツも抜かりなし!


純正然としたルックスにスタビライザー装備の“丸鉄スイングアーム 強化レーシングタイプ”(14万3000円)。


純正廃番のZ1-R用“シートロックカバー クロームメッキ バネ付き”(7700円)。


ビレット製が人気の“フィンガークラッチレバー Z1/Z2”にはキャスティングモデル(1万3200円)の併売もスタート。

 

【協力】PMC TEL0799-60-0101 〒656-2131兵庫県淡路市志筑3071番地 https://www.win-pmc.com/

※本企画はHeritage&Legends 2025年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。