“コスプレ”のワードに収まらない「ドレミコレクション ゼファー向け外装キット」の魅力を改めて知る!・ドレミコレクション

排気量問わず、ゼファー・シリーズ向けカスタム外装として、広く市場に浸透するのがドレミコレクションのアイテム群だ。そのゼファー向けだけとっても、750、400向けのZ2 STYLEとFX STYLE、1100向けのZ2 STYLE、そしてそれぞれのカラー設定と、バリエーションは実に豊富。2024年の現在、人気の主軸はどこにあるかを 代表の武 浩さんに聞いてみた。

最新の人気アイテムは“角”。 外装も入手は早めが吉

「ウチも’90年代のカスタムブームの頃は流れに乗って、Z系やGPZ900Rのカスタムも仕事とした時期があったのですが、エンジンチューニングはさておき、当時流行った他車の足まわり流用が納得できなくて。“そこまでするなら、現行モデルに当時風の外装を載せればいいじゃないか”というのが、弊社が謳うコスプレカスタムの始まりでした」と教えてくれる、ドレミコレクションの武 浩代表。

▲武 浩代表。「ミュージアムには弊社のデモバイクも展示していて、飛燕はもちろんですが、実際の外装セットの装着具合が見たくて来館される方も多いんですよ」と。

そのスタートはゼファー(400)にフィットするZ2タイプ外装の開発。ほどなく、ゼファー750用、1100用もラインナップされ、以来、最新のZ900RS向けのZ1スタイル/Ninjaスタイル外装セット、カワサキ以外ではCB400SF(NC39/42)にリリースしたCBX400F風、タイプX外装など、次々とヒット作を生み出し続けてきた。

▲ゼファーの終売を機に、一気に注目が集まったという『Z2タイプ外装セット』。そこから20年近くが経つ今、外観がヤレた個体のリフレッシュ時に載せる新品外装としても改めて注目したい。タンクはスチール(車検対応品)、サイドカバーとテールカウルは純正部品同様のABS素材と、高いクォリティを持つのも、ドレミ外装の特長なのだ。

「ゼファーが現行モデルだった頃からZ2外装を販売したけど、本格的に火がついたのは’06年のゼファーシリーズ終売以降かな。今は1100用は落ち着いて、400と750用キットが主力。外装セットだけの売り上げで言えば、400が5割、750が4割、そして1割が1100という比率です。

▲“Z2 Style”ZEPHYR1100。当初のゼファー向け外装キットを牽引したのは“丸タンク”だった!

ゼファーにはカワサキ最後の空冷4発というキラーワードがありますが、水冷とはいえ同ジャンルに軽くて乗りやすいZ900RSがある。1100に特別な思い入れがなければ、今はそちらに流れるライダーも少なくないんじゃないかと思いますよ。一方で750は乗りやすいベーシックスポーツとしての評価は今も高いし、400は若い人たちだってその名を知る名車。今はそこに販売数の差が出ていると感じています」(同)

▲“Z2 Style”ZEPHYR750

現在の人気製品は? と聞けば、「それはもう角タンク。750も400もFXスタイルが圧倒的です。ゼファーもZも、そしてZ900RSも丸タンクですから、それに対するカウンターなのかな。カラーで言えば、750用のFXタイプ外装セットはルミナスネイビーブルー、400で言えばE1のファイヤークラッカーレッドとE4の各色。僕らが学生の頃はミッドナイトブルーにピンストライプの入ったE1後期カラー(エボニー)ばかりだったのを覚えていますが、今となっては初期型と最終型カラーに人気が集まるのも興味深いですね」(同)

あと、この秋に1100と750用の『Z1/Z2タイプ4本マフラー』を各20セット限定で再販することを決めました。これは、過去に購入してくれたお客さまから『20年超使い続けてヤレてしまったので買い直したい』というお声をいただいたのが発端です。ただし、製造してくれていたメーカーさんが工場を畳むと言われて……。非常に残念ではありますが、これが最後のロットになると思います」(同)

コロナ禍以来の慢性的な人手不足、為替や材料費の高騰で、海外の引受先企業が次々と閉鎖に追い込まれているのが現状とか。国産に切り替えるなど、ドレミも手を打つが、古くからラインナップする製品ほど、影響を受ける(廃番となる)可能性は非常に高い。

今あるアイテムを今の価格で手に入れたいというなら、ぜひ早めのアクションをお勧めしたい。

▲武さんにお話を伺ったのは複製の飛燕を収蔵するために、2024年春にオープンした『ドレミコレクションミュージアム』。土日・祝日のみの開館で見学は完全予約制だ。

 

角タンク外装はゼファーのイメージを突き抜ける魅力!/“FX Style” ZEPHYR750


ゼファー750用『FXタイプタンクセット』のモチーフは見ての通り、’79、’80年に国内販売されたZ750FX(Z1000Mk.IIもほぼ同デザイン)だ。Z750FXは販売期間が短かったこともあり、現在の市場では400万円以上のプライスが付く高額モデル。ただし、ドレミセットの購入者はそのプレミアム感への意識は薄く、単に「かっこいいデザインだから」というのが大半だとか。

『塗装済みFXタイプスチールタンクセット』はスチール製タンクと鍵付きタンクキャップ、ABS製の左右サイドカバーと同じくABS製テールカウル(引き出し付き)、専用フェンダーレスキットにMK2/FXテールランプAssy、赤リフレクター2枚の構成。シートは純正タイプとタックロールシートから好みで選べる。価格は27万2800円(無塗装セット:19万8000円)。デモバイクには『TOMOリアショック』(2万2000円)や『角型ヘッドカバー』(3万3000円。欠品中)、ドレミでも販売したゲイルスピード タイプN(現在はドレミでの販売は終了)なども装着。


FX Styleのプロモーションのため、東京営業所店長の藤野高行さんが’15年春のTOT・ZERO-1クラスを走ったこともあった。元ネタは’80年のAMAスーパーバイクを走ったエディ・ローソン(当時の黒+金ピンスト外装は前年のTOTで再現していた)。こんな楽しみ方だってあるのだ!。

 

今もドレミのコスプレを牽引! 400向けは圧巻の全12色/“FX Style” ZEPHYR χ


クラス初のDOHC+並列4気筒エンジンで、Z1000Mk.IIと同年に発売されたZ400FX。ゼファー(400)/χ向け『FXタイプタンクセット』は、もちろんそちらがモチーフだ。Z1000Mk.IIと違うのは、当時、国内で爆発的ヒットとなったことで、後継機、Z400GPの’82年発売以降もしばらく併売されたほど。FXタイプタンクセットも発売当初から今に至るまで、人気のアイテム。

400ccのゼファーをFX Styleに一新する『塗装済みFXタイプスチールタンクセット』の価格は22万1100〜25万9600円(塗装色で変動。無塗装セット:13万7500円)。ゼファー(400)/χに対応し、セット内容は右ページの750向けに準じるが、タンクキャップ対策ゴムが追加される。シートは前期(写真)とE4以降向けの後期、タックロールの3タイプから選べる。ドレミが販売する『ゼファー400/χ 42.7φショート管』(9万9000円)や、右同様に『TOMOリアショック』(2万2000円)、ゲイルスピード タイプNなども見える。

 

長く楽しまれた「フェックス」の全カラーを再現!

当時、「フェックス」の愛称で親しまれ、現在も多くのファンに支持されるZ400FX。Z750FX同様にリアル中古車はプレミアムバイクだが、ゼファーでならまだ楽しめる。歴代全12色を揃えたドレミ外装には、複数を購入して、同社提唱の“コスプレ”着せ替えを楽しむユーザーも存在するそうだ。

●E1 レッド

●E1 前期エボニー

●E1 後期エボニー

●E1 シルバー

●E2 レッド

●E2 ブルー

●E3 エボニー

●E3 シルバー

●E4 エボニー

●E4 シルバー

●E4 ブルー

●E4 グランプリ

 

【協力】
ドレミコレクション TEL086-456-4004 〒712-8043 岡山県倉敷市広江1-2-22 https://www.doremi-co.com/
ドレミコレクション東京営業所  TEL03-5631-8228 〒131-0034東京都墨田区堤通1-11-23
ドレミコレクションミュージアム 〒719-0112岡山県浅口市金光町須恵1079 https://reserva.be/hien

※本企画はHeritage&Legends 2023年3月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。