Z900RSのコスプレ路線に待望の角タンク仕様登場間近・ドレミコレクション

当初からの角型構想をスチールタンクで実現

まさに待望のと言えるスタイル。Z1をオマージュしたZ900RSに、Z1系の後継となる角タンクZ、Z1000MkII(マークツー)のルックスを投影する。ドレミコレクションが’24年東京モーターサイクルショーの初日に予告なしにアンベールした「Z900RS Mk2 Style」には、大きなインパクトがあった。それは写真を見ても分かる通りで、違和感はまずない。

▲ドレミコレクションのZ900RS Mk2 Style。各部の詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!

元々2017年のZ900RS発表時点で、ドレミコレクションはカスタマイズスタイルの提案としてのZ1ルックを発表していた。’18年、Z900RSの市販から間もない東京モーターサイクルショーには、コンセプトモデルとしてスーパーチャージャーも備えたMk2仕様を発表していた。この時にも反響は大きかった。そこから5年。他モデル用も含めて先行した各外装セットのノウハウを磨くことで、今回のMk2 Style発表に至ったということだ。

既にZ1 Style、Ninja Style、Lawson Styleといった外装セットをリリースしてきたドレミコレクション。車検に適合するスチール製タンクを軸に、各外装は作られてきた。Z1 StyleではスリムなZ1のタンク造形を表現するためにインナータンクを用意し、タンクカバーを装着する。このことでカラーリング済みの外装(カバー類)を用意すれば複数のカラーが時間をかけずに変身してしまえるようにできた。

Ninja Style、Lawson Styleではモチーフ車のタンク外形に合うようなインナータンクをセットに同梱する。カラーリングはオーダー時に定額で発注できるようにした。

▲Z1の初代'73年型から7年目の'79年型でMk.IIが登場したからZ900RSも7年目の'24年にこのスタイルが現れたと考えるのは行き過ぎだろうか。写真は新作スチールタンクの試作品だが、この形状がMk2 Styleのベース。他のパーツもバランスを整えて市販予定だ。

Mk2 Styleもこれらの手法を踏襲したかと思ったのだが、今回は異なった。燃料タンクはスチールで起こし、そのまま交換する仕様と発表された。これはドレミコレクションがゼファーシリーズに展開したZ2 Styleや角タンクのFX Styleと同様の手法で、燃料容量も確保できることになる。製品の安定化や生産性の効率化にもつながると利点もあるとのことだ。

その形状は写真を見ての通りで、角だから大きく見えがちだが上から見るとスリムで、MkII角タンクの無骨だがスマート感のある感じを表現したそのタンクを軸に、全体がしっかりとMkIIのラインを踏まえながら、Z900RSとのバランスを取っている。またサイドカバーやテールカウルは当初はFRP樹脂での受注生産を計画したが、純正でも採用されるABS+樹脂での製作を決めた。こちらも金型成型で、質も生産性も上がるということだ。

なお、写真で装着されている各外装は試作品で、これからシートやテールカウル、サイドカバーなどはよりきれいにバランスさせるように整えられ、近い将来に製品化される予定だ。試作段階でこのまとまりだから、製品となった時のそれはさらに好感をもって迎えられると思える。

 

コスプレカスタム増加で選択の幅もさらに広がる

ドレミコレクション製外装セットによるZ900RSカスタム。同社では常々“コスプレ”と言っているが、それで別のバイクのスタイルが楽しめてしまう。下でZ900RSに対応する外装セットの装着例を紹介しているが、どれも大きな変更をすることなく装着できるのが特徴だ。ベースは現行車両、加えて言うならモチーフと同じ、カワサキ直4エンジン搭載車。

現行車のトラブルレスの安心感が得られる上で、往年のレジェンドモデルの外観を気軽に楽しめるのは、満足度も高いだろう。

また、これら外装は他のアフターマーケットパーツに基本的には干渉しないものだから、好きなカスタムを加えることもできる。下の装着例で言うならZ1 Styleはワイヤスポークホイール化し、JMCA認定のドレミ製4本出しマフラー、フェイクツインショックを備えることでZ1ルックにより近づいている。Ninja Styleにはケイファクトリー製チタンマフラーが備わり、カスタムNinjaらしさも表現する。Lawson Styleにはモーリス・マグホイールと、パーツの組み合わせでその表現の幅はもっと広げられるということ。

こんなレジェンドモデル群のスタイルがコスプレの概念で手に入れられる。やろうと思えば1台Z900RSを手に入れて、ドレミ製外装キットを次々着せ替えしてしまうことすら出来るわけだ。

Mk2 Styleも含めれば1台で2度どころか4度、いや、ベースを含めれば5度。さらにカラー変更、マフラー変更と考えを進めていけば、その広がりはかなりのものとなる。ともあれ、Mk2Styleの登場まではあと少しのようだ。その際には価格も発表されるはず。気になる向きはぜひドレミHPに引き続き注目しよう。

 

4つに広がったZ900RSのレジェンドスタイル

Mk.2 Styleの登場によって、Z900RS向けのドレミ製外装キットは4つのレジェンドモデルをコスプレできることになった。塗装済みバリエーションも無塗装仕様もあり、他の機能パーツとの併用ができるから、楽しみがより広げられる。

 

Mk.2 Style/スチール角タンクで後期型Zを表現

 

Ninja Style/ハーフカウルなど大胆な造形で初代ニンジャを現代に再現する


ハーフカウル仕様でGPZ900R(Ninja)のルックスをZ900RS/CAFEに投影するNinja Style外装セット(無塗装、44万円)の塗装(グリーンペイント料金 27万5000円。ほかに同料金でA8レッド、A6ブラックあり)済み外装装着例。専用スチールインナータンク、FRP製アッパーカウル/タンクカバー/シートカバー。ABS樹脂製フロントフェンダーに専用フェンダーレスKit、専用シートAssyベルト付き、角型ヘッドライト(LED)、取り付けステーなどが含まれる。

 

Lawson Style/ビキニカウル装着の角タンク外装もラインナップ


Z1000Rのスタイルがまとえる外装セット(41万8000円)の塗装済み(ライムグリーンR1ペイント料金 16万5000円)装着例。専用スチールインナータンク、FRP製アッパーカウル/タンクカバー/テールカウル/サイドカバー左右。ABS樹脂製無塗装フロントフェンダー、専用サイドカバーフロントセクション、専用シートAssyベルト付き、角型ヘッドライト(LED)、専用フェンダーレスキットなどで構成。

 

Z1 Style/Z900RSがオマージュしたZの形を精緻にまとう


Z900RSをZ1のルックスや各年式のカラーにぐっと近づけられる外装カバーのセット。下は火の玉カラーの装着例。セット内容は左各写真のようにFRP樹脂製タンクカバー、ABS樹脂製の左右サイドカバー/テールカウル、サイドカバーフロントセクションと、専用取り付けステー。各17万500円。好きなカラーリングを施して楽しむための無塗装ペイントベース(8万7780円)もある。なお、この車両ではZ1 Styleをより引き立てる「Z900RS 4本エキゾーストマフラー 2018-21 型式2BL JMCA公認 ストリート4(メッキ)」(34万1000円)なども装着しているので参考に。

70’s 火の玉カラーセット

70’s 黄タイガーカラーセット

70’s 青玉虫ーカラーセット

70’s 赤タイガーカラーセット

 

Z900RS スチールインナータンク


上のZ900RS Z1 Style外装カバーセットを装着するために必要なタンク。鉄製で車検適合品。容量は14L(純正は17L)と十分に確保され、純正タンクキャップ/燃料ポンプ等を移植できる。これを付けておけば次々とZ1 Style外装が付け替えられるから、気分に応じて火の玉、タイガーと同じ車両で違うカラーリングで走れることになる。5万4780円。

 

【協力】ドレミコレクション TEL086-456-4004 〒712-8043 岡山県倉敷市広江1-2-22 https://www.doremi-co.com/

※本企画はHeritage&Legends 2024年8月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。